楽しく、楽しく  12月28日

{ By k.kashii , In , 8:04 }

年末年始を楽しく過したい。
新しい年を楽しく過したい。来年は不安と混乱の年となるであろうことは
間違いない。だから、楽しく、すっきりと、ゆったりと過したい。
そうした心構えをもって、一年を過したい。

「冬の蚊の地球儀一蹴ふてぶてし」
「初雪やほの字の里の下駄の音」
「マフラーを耳まで巻いて家路かな」

12月   12月14日

{ By k.kashii , In , 11:23 }

寒い冬がやってきた。そんな季節になっても楽しみを見つけたいもの。

「冬晴れや雲は啄木記念館」
「路地裏をぶらりぶらぶら柿を買う」
「銀杏散る紫色のダンスして」

冬至    11月30日

{ By k.kashii , In , 9:40 }

月日の過ぎるのは早いもの。
早、今年も明日から師走、冬至がやってくる。
このところの杜甫の詩へのわが傾注ぶりは以前にも
お話したところ。これまでの若い時分には敬遠しがちだった杜甫の詩の
味わい深さが、いま、こころに響く。
そして、杜甫といえば、わが芭蕉。芭蕉の句を拾い読みすれば、
これまた、さらに興が湧くというもの。

「ヒレ酒と芭蕉の一句あればいい」
「冬晴れの雲は啄木記念館」

杜甫   11月23日

{ By k.kashii , In , 8:51 }

このところ杜甫の詩集に凝っている。
鈴木虎雄氏の解釈で杜詩全集を手にし、夜毎に拾い読みをしている。
時には、中国にて買い求めた発音記号の付いている手引書で、
声に出して、韻を踏む楽しみを味わってもいる。
そして、丹後半島を旅した時も絶えず杜甫の詩を読んでは、
車から外の美しい山や海を眺めていた。

「白髪がとてもゆたかに柿たわわ」
「ぼろぼろや後悔ばかり秋のくれ」

年をとって  11月2日

{ By k.kashii , In , 7:25 }

私もすこし前に還暦を迎えた。
そして、今年、美智子皇太后が喜寿を迎えた、という知らせ。
まことに、光陰は矢の如し、月日がたつのは早いもの。

「すっきりと喜寿ゆったりとすすきかな」
「白髪やわが杜甫と秋の夕焼け」

「我も死して碑に辺せん枯尾花  蕪村」

鳥居     10月19日

{ By k.kashii , In , 11:49 }

10月の秋祭りとしてのわが熊取町のだんじり祭り、10台以上もの
だんじりが大森神社に勢ぞろいして、神事を行う。
それはそれは勇壮な風景である。そろいの法被を着た大勢の若者達の
熱気と、見物人たちの騒々しさは、格別。太鼓や鉦を打つ音、
笛の音色が、そうした気分をいや増す。
その神社の入口に立つ石造りの鳥居。その鳥居の梁は、
弓張りのようにカーブしている。

「骨盤や 反りさわやかに大鳥居」
「だんじりや 鳥居しなって空を飛ぶ」

秋  9月28日

{ By k.kashii , In , 9:27 }

俳人にとって好きな秋になった。
このところ、秋の兆しを感じる度に俳句をひねる。
かくて誕生した句をいくつか披露する。

「秋の海 日が沈みゆくだるさかな」
「酔えばいい 秋の入日よ酔えばいい」
「夕風や 身にしみわたる生一本」

秋のきざし  9月14日

{ By k.kashii , In , 18:23 }

すっかりと秋らしくなってきた。
朝晩の冷え込みに風邪を引かないように気をつけよう。
夕方に窓辺にたたずむと、秋の風が心地よい。

「つれづれに頬杖ついて秋の風」
「ほろ酔いや日が沈み行く秋の風」
「いっさいを捨ててしまって秋の風」

稲妻   8月31日

{ By k.kashii , In , 16:38 }

8月27日土曜日の夕暮れ、残暑厳しい一日を締めくくるように、
稲光が、そして、大地を揺るがす勢いで雷が。
後はざーざーと激しく雨が降り、またたく間に、公園の広場は水浸し。

そのときに句会をしていた私たちは、誰から言い出すともなしに、
「稲光」を席題にして、即席の句会を始めたのだった。
「稲光 かかしが三歩歩き出す」この句に人気が集まった。

「稲光すぐにあいつがやって来る」
「稲光机に頭ぶっつけて」


盆休み   8月17日

{ By k.kashii , In , 7:42 }

今年の盆休みは久しぶりに親友とゆっくり歓談した。
鱧鍋を前にして、日本酒を何本も空けながら。
親友とは取りだてて話すことなどない、家族のことや健康のこと、仕事のことや
時の話題などについて会話はぼそぼそと続くが、そこには大きな意味はない。
ただ互いの顔を見るだけで十分なのだ。
食事の後は、とあるスナックに立ち寄り、そこで、祐次郎の歌を何曲も飽きることなく歌った。

「盆休み夜を惜しんで友の顔」
「海は日を抱く真夏の雲は空を抱く」

太子町    8月3日

{ By k.kashii , In , 11:15 }

真夏の昼下がり、南河内郡太子町の知人宅を訪問。
その途中に位置する安藤忠雄氏設計の近つ飛鳥記念館にまづは立ち寄り、こんもりとした森の中の現代建築の幾何学的造形を眺めた。
そして、たどり着いた知人の家もまた、こんもりとした山や森に囲まれている。
玄関には大きな大きな甕がでーんと。なんでも年代ものの甕とのこと。床の間の古い置物などの
調度品を鑑賞した。
帰り際には、広い庭の離れにある書斎部屋で、コレクションしている明の時代の玉細工の香炉などを次から次と鑑賞させてもらった。しばし、骨董三昧のお話をお伺いした。
やがて、別れの時が近づき、手入れの行き届いた庭に出ると、これまた、100歳になろうかという
幹の太さが相撲取りの胴回り以上もありそうなさるすべりが美しいピンクの花をあふれんばかりに咲かせていた。
そして、帰りの道中、こんもりとした小さな森としての推古天皇のご稜などを案内してもらいながら、別れを告げたのである。

「太子町古墳尋ねるさるすべり」
「こんもりと山さらさらとさるすべり」

水虫    7月27日

{ By k.kashii , In , 7:43 }


いつも蒸し暑い夏が来ると、水虫に悩む。
今年は右足の中指の付け根あたり。
水ぶくれとなり、その皮を爪で破ると、水が湧いてくる。
そして、すこし痒い。すこし痛い。
今年の夏も水虫と仲良くして暮らすとしよう。

「水虫や ピアノピアーノピアニッシモ」

ジャズ   7月13日

{ By k.kashii , 10:27 }

そして その日は親友の清澤さんからの誘いで、ジャズ(デユーク・エリントン)オーケストラの演奏を聴きに行った。場所はシンフォーニーホール、殺風景なJR福島駅を下車して、北へ向って少し歩くと、小さな小さな森が現れる。ほっと一息つけるその森を前庭にして、シンフォニーホールは毅然と建っている。

おなじみの曲目「A列車・・・」から始まって、次々と演奏される力強いトランペット・トロンボーン・サックスの金属楽器の音色が耳に残る。そして、何曲目かに演奏された熱帯のジャングル・アフリカの風土を彷彿とさせる曲に、私はしびれた。アフリカ象が熱砂を越えてこっちにやってくるようなトランペットの演奏。ドラムはアフリカの部族達の喜びを表しているのだろうか。この曲目は同行の清澤さんも感動した様子である。

そしてまた、終盤になってのバラード調のナイーブな曲目に私は心引かれた。
ピアニストのあのピアニッシモな高いキーの音色に。そして、トランペットを
特殊な技法で音量をきわめて押えて演奏した静かな曲に。
か細くどこか東洋的な風が感じられてとても涼しい気分になったのである。

「銀河のようにトロンボーンの光るかな」
「トランペットに乗り灼熱のジャングルへ」

久保惣美術館   6月29日

{ By k.kashii , In , 9:07 }

「芝生狩り芝の匂いの男達」
「赤とんぼ水辺の草の葉の先に」
「清水の底の石のかげ水のかげ」

俳句仲間と久保惣美術館に行き、吟行を行った。
久保惣での庭園に心引かれ、そこで詠んだ3句である。

日本  6月15日

{ By k.kashii , In , 11:35 }

元気の出る話を聞いた。
日本の領土は世界で6番目に広い、という話。
なるほど、わが国は島国。
まるで、太平洋の片隅のミミズかうなぎ。
その国土は狭く、小さい。
美しい山と海とが隣り合わせなのがいいが。
ところで、島国ゆえに、その海域はとてつもなく広いのである。
小笠原諸島から沖縄/宮古諸島の海域までが日本である。
思えば、これからは海の時代。
これからぞ、日本が花開くのは。

梅雨に入る   6月1日

{ By k.kashii , 7:23 }

「ジャズの声低く気だるく梅雨の入り」
「タクシーの水を切る音梅雨の夜」

うっとうしい梅雨入りである。日本全国雨模様。
田植えの季節であり、恵の雨である。
いい面といやな面とをすべてのものは持っている。

上海から揚州    5月18日

{ By k.kashii , 7:56 }

「大明寺 青葉若葉が目に沁みる」


鑑真の職した揚州の大明寺を尋ねた。付近の工場地帯のために相当に汚れた運河
に沿っている街路樹の柳の緑が美しい。寺の門をくぐり、お堂のひとつひとつを探索。
ひとつのお堂では、檀家の法事を営んでいて、数名の僧による読経が始まっていた。
見ていると、お坊さん達も経を唱えながらもこちらを見たりしてきょろきょろ。また、お茶を飲んだり、
にこにこしたりして、日本のしゃちこばった坊さんとはずいぶんと違う。


私は、東山魁威の唐招提寺の襖絵を思い出していた。そして、鑑真像を見て、
しばし、目が潤み、芭蕉の句をひとりつぶやいた・・・
「若葉して お目の雫拭はばや」

パウルクレー   5月5日

{ By k.kashii , In , 9:38 }

京都国立近代美術館に「パウル・クレー展」を見に行った。

「パウルクレーにレンゲ菜の花リズムして」
「緑陰の白川の底 石光る」
「疎水流れ 青葉若葉の大鳥居」

花    4月21日

{ By k.kashii , In , 9:08 }

前線も北上。
大阪近辺の桜ももう葉桜となっている。
今年の桜の句をどうぞ。

「白壁の家また家を 花の水」
「あっちこっちうきうきと行く 花の村」
「岬灯台 桜のドレス身にまとう」

義援金   4月14日

{ By k.kashii , In , 7:29 }

東日本大震災への義援金として、法人としてのできることを考えてみた。
本年度よりの収益の10%を10年間、被災地の子供達の教育関連のために
募金する、ということに決めた。
また、この義援金システムに賛同する方を10社(10人)程度募りたい。
そうすれば、いくらかまとまった資金になり、図書購入資金やスポーツ道具購入資金
などに役立つこととなろう。

安藤忠雄講演  4月6日

{ By k.kashii , In , 9:49 }

先日、安藤忠雄氏の大阪を元気にする講演会に参加した。


3つのを気付かされた。
一つ目は、チーム力のC.何事もチームが大事。みんなで力を合わせることが大事だ、と。
彼は、自分の仕事・作品・業績はチームのお陰であり、チームをうまく生かすことがいい仕事を
こなす条件である、と言う。
2つ目は、挑戦のC. 常に勇気を持って垣根を越えて挑戦せよ、と。安藤氏が語ると、
説得力がある。彼の人生そのものが、挑戦の賜物であるからだ。
3つ目は、長寿せよ、と。100才まで現役でやる、と安藤氏は自らを語る。最近、初期癌の手術を乗り越えた彼が、こう言うと、これまた説得力がある。


「チーム」と「挑戦」と「長寿」とを、小生もまた、自分自身への糧としたい

みちのく  3月30日

{ By k.kashii , In , 7:51 }

「石の巻 何も知らない水仙花」 「みちのくの しのぶ文字刷り 花の橋」 今週も『みちのく』への詩を作った。 賢治の故郷であり、芭蕉が命を賭けて旅した場所であり、 さらには、業平が思いを馳せた地でもある。 このところ、日本がひとつになってきていることを強く感じる。 大丈夫。 日本人ひとりひとりがやる気になることが大事。それさえあれば、 後はどうにかなる。

大震災   3月22日

{ By k.kashii , In , 15:50 }

「雛の家梅の家すべての家を呑んだ海」
「死者の数たんたんとラジオ冴えかえる」
「燕よ行け銀河鉄道三陸へ」

3・11はこの国にとってとても大切な数字となるであろう。
三陸での大地震・大津波による甚大な惨劇を生んだ日である。
宮沢賢治が生きていたなら、どんな詩を作るだろうか?



春雨の音    3月9日

{ By k.kashii , In , 16:09 }

春の雨のシーズンである。
古来、この国では、春の雨にちなんでたくさんの詩歌が読まれてきた。
「不精さや かきおこされし春の雨」 これは芭蕉の作。

さて、今年の私は、春雨の音に着目してみた。
「春雨の音を静かに聴くラジオ」
「春雨の音をラジオが聴いている」
「土を打つ春雨の音 チャイコフスキー」

呪文 Ⅱ  2月23日

{ By k.kashii , In , 18:04 }

呪文の続きである。

「あほになれ あほになって 橋となれ」

ところで、昨日は「笑いと遺伝子」で有名な村上和男氏のお話を聞いた。
「笑い」ではなく、「魂と遺伝子」をタイトルにして書物をまとめたい、との彼の言葉に感動した。
21世紀は、日本人の活躍を待っている、との言葉にも感動した。
現代の科学的知識・情報の先端水準を有し、なおかつ、二千年以上に渡る歴史的・伝統的
価値観をも温存している東洋の国・日本から、この世界を未来に導くひとつの価値観が醸し出される
にちがいない、という彼の発言に私は同調する者だ。

呪文 2月16日

{ By k.kashii , In , 10:41 }

呪文を着想した。

「一切を捨て 橋となれ」
「今日を楽しみ 橋となれ」
「絶望してこそ 橋となれ」

まあ、これを朝晩、口づさんで、わが身に付けようとの思いである。

専門家との提携  2月9日

{ By k.kashii , In , 11:23 }

ひとりの不動産屋として、どんなことろに特徴があるのか?
なにが強みなのか?
時々自問自答するテーマである。

弁護士や税理士などの士業の専門家の方たちとの連携プレーも
そのひとつかもしれない。
これまで、不良債権化物件の処理を数多くこなしてきたのもその証拠。
また、税理士仲間も結構多くの先生方と交際しているのもその証拠。

さて、いかにしてそれら専門家先生方と提携し、不動産情報を的確にタイミングよく
入手し、その課題に対応する体制つくりをしていくかが、今年の課題。

今年の目標に掲げた不動産ビジネスとして、
ひとつは、空家ビジネス
もうひとつは、専門家先生とのネットワーク ということになろう。

春の足音  2月2日

{ By k.kashii , In , 9:57 }

「梅ふくらむ もっとふくらむ夕日かな」
「赤壁よりもほんのり紅く梅の花」
「靴音が近づいてくる 春の土」
「くたびれた靴が踏む影 梅の影」

もうすぐ春だ・・・

空室ビジネス  1月26日

{ By k.kashii , In , 16:13 }

今後、人口減と物件供給過多から空室・空家の増加が心配されている。
そこで、この現象をビジネスチャンスととらえ、空家対策解消ビジネスを
始めよう。
その分野でのノウハウを高め、そうしたことに長けた人脈なり、パートナー企業と
タイアップする道を探ろう、と思う。
ひょっとしたら、その道が、不動産業界での画期的なビジネスモデルとなるかもしれない。
とまあ、こういう夢を見ている次第。

おもしろい不動産商売  1月19日

{ By k.kashii , In , 13:12 }

貝塚市にある繊維工場。敷地面積は1000坪以上である。
商業施設の観点からみて、立地がいいので、
現在稼動中の繊維関連の仕事を止めて、
土地活用を提案しようと、目論む話を聞いた。

小生の経験・考えでは、地主の方からの土地活用の依頼があって、
はじめて、不動産屋が動くものとばかり思っていたが、
その不動産業の方は、そうではなく、こちらから、地主に提案して行こう、というわけである。
そんなむちゃな、そんなことをしても、地主からあっさり断られことになろう、と思うのが普通。

だが、まてよ、と思った。
こうした積極的な提案ビジネスも、意外とおもしろいかもしれない、と。
地主の方がそれを待っている、ということもあるかもしれない、と。



プラトンの「国家」  1月12日

{ By k.kashii , In , 9:07 }

正月休みを利用して、プラトンの「国家」を拾い読みした。
「国家」というタイトルのせいで、非常に難解なイメージがあり、これまで敬遠してきた書物である。
食わず嫌いはいけないと思い、せっせと読んだわけである。
すると、なんとなんとその内容のおもしろいことそんじょそこらではない。
プラトンのいつもの書物同様に、ソクラテスを主役とする対話形式の文体には変わりなく、
とてもすらすらと読める。
内容は、いかに正しく生きるか、正義とはなにかがテーマ。
おもしろいのは、正しく生きている人が、名誉や金に恵まれていなく、要領よく生きている人が
この世で名誉も金も手に入れて、立派に生きているということ。今も昔も同じだなあ、と思ったこと。
もちろん、そうした要領のいい生き方はよくない、というのがプラトンの結論ではあるのだが・・・
また、国を治めるほどの人は、幼いときより正しく生きる教育を受けてこそ為政者にふさわしいという
プラトンの理想を読んで、ふと、気付いたのは、そんな為政者こそわが天皇家じゃないだろうか、ということ。
かくて、ソクラテスさんをますます好きになった次第です。