生と死と   10月17日

{ By k.kashii , 10:25 }

「生きること悩みっ放しで柘榴の実」
「秋の雨降り止みしとき雨の声」
「傷ついた象の姿に秋の岩」
「萩こぼれ赤ちゃんパンチパンチして」

辞世句とはなんだろう?芭蕉はそれを聞かれて、自分のすべての句が
辞世句だと答えたそうな。
死を直前に控えて、名句が出来そうにも思えない。おそらくは、
この国の江戸時代を中心に武士の切腹があったころ、
自決を直前にして、遺言としての辞世の感慨をまとめたものが、
辞世の短歌としてしばしば作られた。こうしたことから、辞世の句なるものが
もてはやされたのだろう。
さて、私はといえば、芭蕉同様に自作のすべてが辞世の句である、と思いたい。
それほどの覚悟と念入りを込めて、一句一句を作りたい。

玉葱   10月3日

{ By k.kashii , 9:40 }

「玉葱雲 たまねぎ色に夕焼ける」
「頭の中はすっからかんです いわし雲」
「線路の声が重々しくて秋の雲」

セザンヌの玉葱を見た。美しい、と思った。
秋の空に浮かぶ雲のいくつかが玉葱のように見えた。
やがて、日が傾き、夕焼けが迫ってきた。